施工詳細と実績

どんな工事を
どんな風に。

  1. HOME
  2. 施工詳細
  3. 隅棟瓦積み直し工事
隅棟積み直し

隅棟瓦積み直し工事

1、施工前
隅棟施工前1隅棟積み直し施工前2隅棟積み直し施工前3

建物構造:木造2階建住宅
既存屋根:セメント瓦 方形屋根
状態:築約16年で屋根塗装、及び、白セメント(もしくは漆喰)のやり替え施工無し
施工内容:面戸詰め直しの為の隅棟瓦積み直し
備考:セメント瓦を塗装時に面戸の白セメント(もしくは漆喰)の状態が悪いと分かり、面戸の白セメント(もしくは漆喰)の塗り直しとなりました。

(追記 面戸の場所と隅棟の呼び方の違い)
面戸隅棟の呼び方

2、既存セメント瓦取り外し
既存セメント瓦取り外し既存セメント瓦取り外し2瓦養生

隅棟瓦を止めている銅線を切って隅棟瓦を取り外していきます。写真で分かるように隅棟瓦を取ると平瓦の寄せ合い部分に隙間が空いています。この隙間に水が入ると雨漏りをおこすので入らないように面戸に白セメントや漆喰を詰める必要があります。1日で積み直しまで出来ないので急な雨がある事を考えて養生します。

3、下地胴縁打ちつけ・南蛮漆喰塗り込み・瓦取付
胴縁打ちつけ南蛮漆喰塗り込み瓦積み

平瓦の寄せ合い部分の隙間に胴縁木材を取り付けます。最終、この胴縁に瓦をビスで止めていきます。胴縁を取り付けた隙間に南蛮漆喰を塗り込んでいきます。こうする事で雨漏りのさらなる防止となります。南蛮漆喰とは漆喰に土を混ぜたもので、漆喰よりもとても強度があります。そうして最終写真の様に南蛮漆喰を面戸に盛り、その上に取り外した隅棟瓦を上に置いてビスでもんで取り付けていきます。南蛮漆喰を盛りながら面戸を作って瓦を置いてビスでもむという作業を1枚ずつやっていきます。

4、積み直し調整・タッチアップ
積み直し調整以前面戸との隙間タッチアップ塗装

隅棟瓦を積み直せれたら最終調整します。面戸の南蛮漆喰を整えたり、棟が歪んでいないかを調整します。新築時には隅棟瓦を葺いてから面戸に白セメント(もしくは漆喰)を塗り込んだ様で今回の施工方とは異なります。今回の施工方法では少し面戸がセットバックしました。屋根を塗装しているので未塗装部分が出てきており、そこをタッチアップしていきます。

  • 面戸へ入れる漆喰等は奥まらせるべき
    →面戸へ入れる漆喰などが隅棟瓦とほぼ同じような出幅になると雨漏りを起こします。隅棟瓦からつたってくる雨水が漆喰に伝わるからです。棟瓦の端で水が切れて下に落ちるようにしなければならないのです。もし、水が切れずに漆喰につたう様に仕上げてしまうと、最初は漆喰も防水の役目がありますが、経年劣化でスカスカになってきて水を通してきます。そして雨漏りを起こします。ここはとても重要な場所ですので注意が必要です。外壁においても屋根においても水を切るという考えは非常に重要です。板金では水切り役物とかいう具材がある程です。
  • 面戸に後から漆喰を入れるほうが良いのか? 南蛮漆喰等で積みながら入れるほうがいいのか?
    →結論は南蛮漆喰を入れながら積んでいくほうが良いです。写真にあるように平瓦の寄せ合い部分の隙間に南蛮漆喰を詰めて雨漏り対策が出来るのが1つです。もう一つは先程述べた事で、面戸の仕上げを奥まって仕上げる事が出来るからです。

5、仕上がり
仕上がり1仕上がり2掃除

掃除をして仕上がりとなります。写真にあるようにセメント瓦の面戸はとても複雑な形状です。これを左官の鏝でおさえようとしても鏝が入らない箇所が多くあり絶対に綺麗には仕上がりません。南蛮漆喰を使った瓦積みなら隙間が開くことなく、かつ、綺麗に仕上げれます。

【余談】
大阪では面戸は左官屋の仕事、京都では面戸は瓦屋の仕事、と言われる事があります。その理由は面戸を屋根を葺いた後に左官屋が漆喰等を入れるのか、漆喰(強度を持たすために主に南蛮漆喰を使用)を入れながら瓦を積んでいくのかの違いです。なぜ大阪と京都でやり方の主流が違うのかは分かりませんが、、、。

関連施工詳細